外壁塗装の塗料選びは種類が多くて、とても迷いますよね。
でも、何を基準にして選べばいいのかわからないし、業者が提案してくる塗料は、本当にいいものなのかも不安な方は多いと思います。
そこで本記事では、元外壁塗装業者が塗料の選び方を徹底解説します!

しかちゃん
当サイトは元外壁塗装の営業マンが外壁塗装で失敗・後悔した人をたくさん見てきた経験から「後悔しない外壁塗装」のノウハウを発信しています!
トップページでは、初めて塗装工事をする方が迷わずに段取りができるように、ステップ形式でまとめています!
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外壁塗装の塗料選びの結論!

初めに外壁塗装の塗料選びのポイントを表にまとめました。
外壁塗装の塗料は以下のように選ぶようにしましょう!
グレード | シリコン・フッ素・無機の中から選ぶ |
メーカー | 日本ペイント・関西ペイント・エスケー化研の中から選ぶ |
水性/溶剤 | 基本水性塗料を選ぶ(水性が使えないときは溶剤系) |
1液/2液 | 1液型が無難 |
追加性能 | 遮熱・ラジカル制御はお好みで |
艶感 | 5分艶がおすすめ |
ライフプラン | あと何年住みたいか考えよう! |

各項目の詳しい解説をこれから解説していきますね!
外壁塗装の塗料の種類はシリコン~無機の中から選ぼう!

外壁塗装の塗料は大きく分けて5つの種類(樹脂)があり、そこに遮熱性能を追加したものやラジカル制御塗料といった紫外線に強いものもあります。
外壁/グレード | 耐用年数 | 施工平米単価(相場) |
---|---|---|
アクリル | 3~5年 | 1,000~1,800円/㎡ |
ウレタン | 5~7年 | 1,500~2,000円/㎡ |
シリコン | 7~15年 | 2,500~3,500円/㎡ |
遮熱シリコン | 12~17年 | 3,000~3,700円/㎡ |
フッ素 | 12~20年 | 3,000~5,000円/㎡ |
遮熱フッ素 | 17~23年 | 4,200~4,700円/㎡ |
無機 | 20~25年 | 4,500~5,500円/㎡ |
メンテナンス時に使われる塗料は、基本シリコン以上の耐用年数のある塗料が一般的です。
アクリル・ウレタンは防水性が低く耐用年数も短いのでおすすめできません。
実際、戸建て住宅の外壁塗装で一番選ばれているのはシリコン塗料です。
市場の約80%はこのシリコン塗料が使用されているといわれています。
大きな建物や商業施設などは、メンテナンス頻度をなるべく少なくするために耐用年数の長いフッ素や無機が多く使われていいます。

戸建て住宅はシリコンが主流。メンテナンス頻度を少なくしたいならフッ素や無機がおすすめ!
外壁塗装は水性塗料がよく選ばれる

塗料には水で希釈して使う水性塗料と、シンナーで希釈する溶剤系塗料があります。
現在は水性塗料のほうが広く一般的に使われています。
昔までは溶剤系のほうが耐久性や密着性が強いといわれていましたが、最近は科学技術も進歩したため、水性塗料と溶剤系塗料の差はほとんどなくなりました。
しかし、金属や屋根の塗装は水性塗料では密着性と耐久性の相性が悪いので、溶剤系塗料を使用します。
溶剤系はシンナーのにおいがするため、苦手な方は外壁は水性塗料を選ぶようにしましょう。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
水性塗料 | 匂いが少ない 職人の健康に優しい 値段が安い 溶剤系並に塗膜が強い | 溶剤系より耐久性が劣る 塗装に向かない素材がある |
溶剤系塗料 | 水性より塗膜が強い 金属や屋根の塗装に向いている 低温でも乾燥が早い 艶を維持しやすい | シンナーのにおいがする 値段が水性より高い 工事中の火気厳禁(引火性がある) |

水性と溶剤系にそこまで差はないから基本はニオイの少ない水性!金属や屋根は水性がNGなので溶剤系を使いましょう!
外壁塗装の塗料は1液型を選ぶのが無難

塗料は塗膜を形成するために硬化剤を混ぜて使用します。
その硬化剤が工場の出荷時にすでに混ぜられてた状態のものを1液型、現場で職人が配合するタイプのものを2液型と呼びます。

それぞれのメリットとデメリットは以下の通りです。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
1液型 | 価格が安い 職人の手間が少ない 硬化剤がすでに適量に混ざっている | 2液型に比べて耐久性が低い 保管しずらい |
2液型 | 1液型より耐久性が高い 硬化剤を混ぜる前なら保管しやすい | 価格が高い 硬化剤を混ぜたらすぐに使用しないといけない 職人の配合ミスが起きる可能性がある |
2液型は、依頼する業者が信頼できるかで性能に大きく差が出ます。
硬化剤の配合が品質に影響するので、正しく調合すれば2液型は1液型よりも強い耐久性を発揮してくれます。
しかし、細かな配合を適当にするような業者であれば、本来の2液型の力は損なわれてしまいます。

耐久性の高いグレードの塗料の1液型を選ぶほうが無難です!
外壁塗装の塗料は遮熱性能とラジカル制御はお好みで選ぼう

通常の塗料に「遮熱性能」と「ラジカル制御性能」が追加されている塗料も存在します。
日光による表面温度の上昇を抑え塗膜の劣化を遅らせたり、室内温度の上昇を抑える効果が期待できる塗料。
通常よりも劣化を遅らせることができる効果のこと。塗膜は紫外線を受けることでラジカル因子というものが発生します。このラジカル因子が劣化の原因になるので、その発生を抑制します。
必ず必要というわけではありませんが、魅力を感じるのであれば選ぶ価値はあるかと思います。

それぞれのメリットデメリットは以下の通りです!
性能 | メリット | デメリット |
---|---|---|
遮熱 | 熱による劣化を防げる 補助金の対象になる地域が多い 夏場の室内温度の上昇を抑える | 通常の塗料より価格が高い 冬場の保温効果はない |
ラジカル制御 | 塗膜の劣化を遅らせることができる | 開発からまだ日が浅く実績が少ない 濃色では効果があまり発揮されない |
例えば、外壁の色を黒やネイビーなどシックな濃い色にしたい場合は、日光によって温度が上昇しやすいので、遮熱塗料を使用して室内の温度上昇を防ぐことができます。
また、「シリコン塗料の耐用年数では物足りないけど、フッ素は金額が高すぎる」という場合は、シリコン塗料にラジカル制御機能がついてるのもを選ぶという手があります。
外壁塗装の塗料選びは色とツヤの種類も大事!

外壁塗装の醍醐味はなんといっても、見た目を変えられるという点ですよね!
メーカーや塗料によっては数百種類の色から調色することができます!
自分の好みの色が実現可能かで塗料を選びましょう。
また、ツヤ感も見た目に大きく影響を与えます。
主にツヤは「ツヤ有り・7分ツヤ・5分ツヤ・3分ツヤ・ツヤ無し」があります。
ただ、ツヤによって耐久性に差が出てしまうことには注意が必要です。
一番耐久性が高いのはツヤ有りでツヤ無しが一番低くなります。その差は目安1~3年ほど。
耐久性を維持したい場合は5分ツヤまでに抑えるのがおすすめです!

好みの色があるか調べよう!マットな質感にしたい場合はツヤ無し。ただし、耐久性が下がるので要注意です!
外壁塗装の塗料は3大メーカーから選ぼう!

様々な塗料メーカーが存在しますが、その中でも3大メーカーと呼ばれる会社があります。
それが「日本ペイント」「関西ペイント」「エスケー化研」です。
業者から提案された塗料で、どれがいいか迷ったらまずこの3つのメーカーのもので絞るといいでしょう。
3大メーカーから選ぶ理由は使用実績が多く歴史の長さに品質が裏付けされているからです。
海外輸入・自社オリジナル塗料・3大メーカーとのコラボ塗料など様々なものがありますが、まだ使用されてから10年~20年経った状態の確認が取れているものは少ないです。
なので、品質面の観点からで安心できる3大メーカーを選ぶのが間違いないでしょう。
各社の特徴は以下の通りです。
メーカー名 | 創業年数 | 特徴 |
---|---|---|
日本ペイント | 140年以上 | 日本初の塗料メーカー ラジカル塗料の先駆者 |
関西ペイント | 100年以上 | 自動車用塗料も国内トップシェア 明石海峡大橋や東京タワーに採用 |
エスケー化研 | 60年以上 | 建築用塗料の国内シェアNO.1 海外展開にも積極的 |
最近、「アステックペイント」という塗料メーカーが遮熱塗料のシェアが伸びており、3年連続売上1位を獲得している注目メーカーでおすすめです。

自社オリジナル塗料も提案されても基本選ばないほうが無難です!
外壁塗装の塗料の種類選びはライフプランを考慮しよう!

ここまで、外壁塗装の塗料選びについて性能や耐久性の観点から解説してきましたが、最終的に外壁塗装の塗料選びで一番重要なのはライフプランです。
例えば年齢40代、築15年、初めての塗り替えであと30年は今の家に住みたいとします。
その場合、耐用年数が10年以下塗料を選んでしまうと何度も塗装工事をしなくてはいけません。
なので、最低でも15年は持つ塗料で30年の内に2回で済む塗料を選ぶか20年以上持つ塗料を選ぶのが妥当です。
もちろん耐用年数が長い塗料を選ぶと一度にかかる費用は高くなります。
しかし、耐用年数の短い塗料で何度も塗装工事をするほうが、足場代や施工費がかさみトータルコストが高くなってしまいます。
それに、ローンや助成金などを活用すれば、一度にかかる金銭的な負担も減るので無理なく外壁塗装をすることができます!

あと何年住むか想定して、塗装工事の回数はできるだけ少なく済む塗料を選ぶのがおすすめ!一度にかかる費用の負担が重い場合はローンや補助金を使おう!