サイディングの外壁塗装は、家を美しく見せるだけでなく、家を長持ちさせるためにも重要な役割を果たしています。
しかし、外壁塗装の際には塗料や塗り方によって効果や寿命に違いがあるため、適切な塗料選びや施工業者選びが重要です。
そこでこの記事では、サイディングの種類とそれぞれの適切なメンテナンス方法について徹底解説します!

しかちゃん
当サイトは元外壁塗装の営業マンが外壁塗装で失敗・後悔した人をたくさん見てきた経験から「後悔しない外壁塗装」のノウハウを発信しています!
トップページでは、初めて塗装工事をする方が迷わずに段取りができるように、ステップ形式でまとめています!
読み飛ばせるもくじ
サイディングとは?

サイディングはパネル化された外壁材のことで、窯業系・金属・樹脂・木質系・ALCパネルの5種類があります。
モルタルやタイルの外壁は「湿式工法」とよばれ、塗り物を使用するので乾燥して外壁が固まるまでに時間がかかる上に、職人の施工技術に熟練を要します。
それに対してサイディングは「乾式工法」とよばれ、乾き待ちの必要がなく工期が短縮できるうえに、パネルを貼り合わせるだけなので施工が簡単という特徴があります。
現在サイディングは様々な素材、デザインのものがあり、新築されている木造住宅の多くはサイディングを使用しています。
窯業系サイディング外壁

窯業系サイディングは日本の新築住宅のシェア70%を超える外壁材です。
主原料は,セメントにけい酸質原料,繊維質原料,混和材料などで構成されています。
窯業系サイディングは独特の質感や色彩を持ち、高い耐久性が特徴的です。
それぞれ独自のデザインや機能性を備えており、建物の外観をより美しく、高級感あふれるものに仕上げることができます。
また、耐火性に優れ、火災の際には火の勢いを抑える効果があります。
窯業系サイディングのメーカーとしては「ニチハ」や「ケイミュー」が有名です。
しかし、デメリットとして、水分を含みやすいので定期的に塗装工事が必要になります。
施工には専門的な知識や技術が必要なので、施工前の点検・調査は信頼できる施工業者を選びましょう!
窯業系サイディング外壁のメンテナンス方法
窯業系サイディングは、耐久性や防水性に優れた外壁材料ですが、適切なメンテナンスを行わないと、劣化や色あせが生じ、建物の美観を損なうことになります。
ここでは、窯業系サイディングのメンテナンス方法を解説します。
定期的な洗浄
窯業系サイディングには、汚れやコケが付着すると、美観性を損なってします。
定期的に洗浄を行うことで、美観を維持しましょう。
洗浄方法としては、中性洗剤を使った手洗いや、高圧洗浄機を使った洗浄が一般的です。
しかし、高圧洗浄を使用する際は塗膜を傷つけてしまい、かえって劣化を進行させてしまう可能性があるので弱め圧力で洗浄するようにしましょう。
コーキング(シーリング)の補修
窯業系サイディングの外壁には、窓枠やドア枠の周辺、サイディング同士のジョイントにコーキング材が使われています。
コーキング材の耐用年数は10年程度で、劣化すると雨水などが侵入し、内部の壁材を腐食させる恐れがあります。
そのため、劣化したコーキング材は定期的に交換するか、補修することが必要です。
特に窓枠は雨漏りの原因になるので、10年に一度のメンテナンスをしましょう。
メンテナンス頻度を少なくしたい場合はオートンイクシードといった、耐用年数の長いコーキングでの施工も可能です。
塗装の施工
窯業系サイディングには、塗装を行うことで、表面を保護することができます。
塗装は、色あせや傷を補修し、美観を保つためにも有効な方法です。
旧塗膜はチョーキングの発生が劣化のサインです。
ただし、塗装は専門的な技術が必要であり、素材や気候条件に応じた適切な塗料を選択することが重要です。
ひび割れ、反り返り
窯業系サイディングは従来のモルタル外壁に比べ、ひび割れに強い外壁材です。
しかし地震などによる亀裂や、経年劣化で反り返りが発生する可能性があるので、破損やひび割れを起こしている場合は部分的な張替えが必要になります。
また、築30年ほど経って劣化が目立つ場合は必要に応じて全体的な張替えやカバー工事をする必要があります。
金属サイディング外壁

金属サイディングとは、金属板と断熱材で構成された外壁を仕上げる外装材の一種です。
非常に軽量で、高い耐久性や強度、防火性を備えており、ひび割れや凍害の心配がないといった特徴があります。
また、表面に加工を施すことで、木目調やタイル調など様々なデザインが可能となっています。
一方で、金属は熱伝導率が高いため、夏場には熱を吸収して室内が暑くなりやすく、冬場には冷気を通しやすいという欠点があります。
そのため、断熱材や気密性の高いサッシなどを併用することで、快適な室内環境を維持することが必要です。
金属サイディングの金属板には4種類あり、ガルバリウム鋼板を利用した商品が主力となっています。
表面材の種類 | 特徴 |
---|---|
塗装ガルバリウム鋼板 | ・アルミニウムと亜鉛合金メッキの鋼板 ・高耐久 ・さびにくい ・金属サイディングの主流 |
塗装溶融亜鉛めっき鋼板 | ・亜鉛メッキに焼き付け塗装をしたもの |
アルミニウム合金塗装板 | ・加工しやすい ・さびにくい ・軽い |
塗装ステンレス鋼板 | ・さびにくい ・高耐久 ・加工しやすい |
金属サイディング外壁のメンテナンス方法
金属サイディングは錆びやすいため、適切なメンテナンスが必要です。
適切なタイミングでメンテナンスをしないと、張り替え工事やカバー工法といった大掛かりなリフォームが必要になります。
定期的な洗浄や塗り替え、錆びた箇所の修理などを行い、美観や耐久性を維持しましょう。
表面塗膜
金属サイディングは汚れがあると、美観が損なわれるだけでなく、錆びやすくなってしまいます。
そのため、10年に一度は外壁塗装が必要です。
また、塗装の剥がれや腐食が進行している場合は、修理だけでなく、部分的な交換が必要な場合もあります。
なお、塗り替えの際は水性塗料が使えないので、溶剤系塗料を使用します。
シンナーの臭いが苦手な方は施工中は外出したり、避難できる場所を確保しておきましょう。
コーキング(シーリング)
ジョイント部や窓枠はコーキングをした上から役物をかぶせているので紫外線を浴びにくく、劣化スピードは比較的遅いです。
しかし、コーキングの寿命は約10年程度なので塗装時に窯業サイディング同様、メンテナンスをしましょう。
さび、穴あき
金属サイディングには、天候や強風、物体の衝突などによって、錆や穴が生じることがあります。
錆が発生している場合は、ケレン(磨き作業)をした後さび止めを塗装し上塗り塗料を塗装します。
穴が開いてしまっている場合は、リペアか張り替えが必要になります。
全体的に劣化が進行している場合はカバー工法も検討しましょう。
樹脂サイディング外壁

樹脂サイディングはアメリカで生まれた、塩ビ(塩化ビニル樹脂)製の外壁材です。
素材の特性を活かした耐久性やメンテナンスのしやすさ、軽量化などの利点があり、住宅用から商業用まで幅広く使われています。
カラーバリエーションも豊富で、木目調や石目調などのデザインがあり、様々な建物に合わせた外観のカスタマイズが可能です。
また、樹脂の柔軟性があり、地震などの自然災害に強く、りひび割れや傷にも強い外壁材となっています。
しかし、非常に優れた外壁材ではあるものの、日本での販売は1996年頃からと歴史が浅く高額でデザインの選択肢が少ないことから、国内ではあまり普及していません。
そのため、施工できる業者が少ないのが現状です。
樹脂サイディング外壁のメンテナンス方法
樹脂サイディングはUV光や紫外線に弱く、長期間の曝露により色褪せや劣化が進むことがあるため、適切なメンテナンスが必要です。
適切な施工とメンテナンスで、美観や耐久性を維持しましょう。
また、熱変形しやすいため、熱源から距離をとることが重要です。
表面の汚れの洗浄
まず、美観性を維持するために表面の汚れを水洗いすることが大切です。
水洗いの際には、中性洗剤を使用することで効果的な汚れ落としを行えます。
また、高圧洗浄機を使用する場合は、水圧を控え、距離を保ちながら洗浄するようにしましょう。
表面塗膜
樹脂サイディングは、ボード自体に顔料が練りこまれているためチョーキングなども発生せず特に塗り替えの必要がありません。
しかし、塗装が必要な場合は、樹脂サイディングに適した塗料を選ぶことが重要です。
塗料を選ぶ際には、耐久性、防汚性、防藻性などを重視し、素材に合わせた塗料を選択しましょう。
また、樹脂サイディングの場合、変色や色あせが発生することがあります。
この問題を解決するためには、遮光性や耐紫外線性に優れた塗料を使用することが効果的です。
コーキング(シーリング)
ジョイント部分のコーキング使用せず、等圧原理を使って水密性を保持する「オープンジョイント構法」という施工方法で、雨水の侵入を防ぎます。
つまり、コーキング材をもともと使用しないため、特にメンテナスの必要はありません。
木質系サイディング外壁

木質サイディングは、木材を加工して作られた外壁材料で、天然素材のため、自然な風合いや美しい木目が魅力的です。
樹種や塗装の色味を変えることで様々なデザイン性を持ち、外壁のイメージチェンジにも最適です。
また、適切な施工とメンテナンスを行うことで、長期間の耐久性や防腐性を持つことができます。
ただし、木質サイディングは、他の素材に比べて維持管理が難しく、木材は自然素材であるため、変色や腐食などの問題が発生する可能性があります。
そのため、施工前には防腐処理を行うことが必要で、その後も定期的な塗装やメンテナンスが必要です。
また、木質サイディングは、火災時には燃えやすい素材であるため、耐火性には注意が必要です。
施工前には、消防法等に基づいた耐火性能を確認することが重要です。
木質系サイディング外壁のメンテナンス方法
木質系サイディング外壁の塗装の頻度は、木材の種類や地域の気候条件によって異なりますが、一般的には3年~7年に一度が目安です。
木材の劣化が進む前に、早めに修繕することで、サイディングの寿命を延ばすことができます。
また、塗装は表面を保護するだけでなく、水分や虫害からも守ってくれます。
塗装には「キシラデコール」や「クリア塗料」といった塗料を使用することで、木目を活かすことができます。
なお、木質系サイディングは周囲の環境にも注意が必要です。
湿気や雨、日光によって変色してしまいます。
また、周囲に植物が多く生えている場合は、定期的に剪定することで、日光や風通しを確保するようにしましょう。
ALCパネル外壁

ALC(Autoclaved Lightweight Concrete)パネルとは、軽量コンクリートを主原料として作られた建材の一種で、鉄筋コンクリートよりも軽く、耐火性や断熱性に優れています。
その軽さや耐火性、耐久性が評価され、一般住宅やマンション、オフィスビルなど幅広く使用されています。
ALCパネルは、工場で生産されたパネルを現場で組み立てていくため、比較的に施工しやすい外壁材です。
また、ALCパネルは表面加工を施すことで、外観や質感のバリエーションが増え、木質調や石質調など、様々なデザインの外壁が実現可能となっています。
ALCパネル外壁のメンテナンス方法
ALCパネル気泡があるため水を吸収しやすため、無塗装の状態では防水性が非常に低い性質があります。
そのため、防水性を保つためにも定期的な外壁塗装を行いましょう。
表面塗膜
ALCパネルのメンテナンスには定期的な塗り替えが必要です。
ALCパネルは、耐久性に優れているとはいえ、塗膜が劣化することでパネルの表面が剥がれたり、ひび割れが生じたりすることがあります。
そのため、塗膜の劣化具合を定期的にチェックし、必要に応じて塗り替えを行うことが重要です。
コーキング(シーリング)
ALCパネルは水分に弱いため、雨水がパネル内部に入り込まないようにすることも大切です。
窯業系サイディングに比べて、ALCパネルはジョイント部分が多いので、雨漏りのリスクが比較的に高くなります。
特に窓枠のコーキング部分の劣化が進んでいる場合は、雨漏りが生じる可能性が高いため、早めの修繕が必要です。
サイディング外壁と塗料の相性

サイディング外壁に使用する塗料は、その材質や特性に応じて選択する必要があります。
一般的に、水性塗料は窯業系サイディングに、金属系サイディングには防食性の高い塗料を、木質系サイディングには耐久性が高く、木材の表面感を残す塗料が適しています。
サイディング外壁には適切な塗料を選択して、外壁の寿命を延ばし、美しさを保ちましょう。
そこで、この章ではサイディングの材質別の適用塗料を一覧表にまとめました。
種別 | 窯業系 | 金属 | 樹脂 | 木質系 | ALCパネル |
---|---|---|---|---|---|
弾性塗料 | × | × | × | × | ◎ |
水性塗料 | ◎ | × | × | 〇 | ◎ |
溶剤系塗料 | ◎ | ◎ | × | 〇 | ◎ |
ALCパネル以外は基本的に弾性塗料は塗膜の膨れを引き起こす可能性が高いのでおすすめしません。
また金属は、水性塗料ではすぐに塗膜が剥離してしまう上に、錆の原因になる水を使うのでNGです。
木質系の塗装を行う場合は、木目を消す場合は造膜タイプを選びましょう。
サイディング外壁の塗装費用と相場

サイディング外壁の塗装費用は、塗装面積や選ぶ塗料の種類によって異なります。
一般的には、中規模住宅の場合、50万円から100万円程度の費用がかかります。
ただし、外壁の状態や工事内容によっては、それ以上の費用がかかる場合もあるので、定期的なメンテナンスを心がけましょう。
サイディング外壁の塗料の相場価格
サイディング外壁の塗料の相場価格は、塗料の種類や施工面積、作業の難易度によって異なりますが、一般的には平均して1㎡あたり2000円~4000円程度です。
しかし、施工業者によって価格に差があるため、複数の業者から見積もりを取る(相見積もり)ことをおすすめします。

塗料ごとの相場価格は以下の表を参考にしてください!
外壁/グレード | 耐用年数 | 施工平米単価(相場) |
---|---|---|
アクリル | 3~5年 | 1,000~1,800円/㎡ |
ウレタン | 5~7年 | 1,500~2,000円/㎡ |
シリコン | 7~15年 | 2,500~3,500円/㎡ |
遮熱シリコン | 12~17年 | 3,000~3,700円/㎡ |
フッ素 | 12~20年 | 3,000~5,000円/㎡ |
遮熱フッ素 | 17~23年 | 4,200~4,700円/㎡ |
無機 | 20~25年 | 4,500~5,500円/㎡ |
サイディング外壁の塗装工事の費用シミュレーション
具体的に自宅の塗装工事にどれくらいの費用が必要なのか知りたい方は、下のシミュレータを使って、費用の計算をしましょう。
外壁の面積がわからない場合は、坪数に対する屋根、外壁面積の表をご参考ください。
坪数 | 外壁の面積 | 屋根の面積 |
---|---|---|
20坪 | 約80㎡ | 40㎡ |
25坪 | 約100㎡ | 50㎡ |
30坪 | 約120㎡ | 60㎡ |
35坪 | 約140㎡ | 70㎡ |
40坪 | 約160㎡ | 80㎡ |
45坪 | 約180㎡ | 80㎡ |
50坪 | 約200㎡ | 100㎡ |
相場価格より安く工事をしたいなら、外壁塗装パートナーズ の業者比較がおすすめです!
中間マージン(手数料)がない業者だから無駄な費用なしで外壁塗装ができます!
無料比較サイト!
質も価格も妥協したくないなら
サイディング外壁の塗装は優良業者で施工しよう
サイディングボードは種類によって塗装方法が異なります。
適切な処置と専門的な技術が必要になるので、質の良い工事をするためには優良業者で施工することが大切です。
そのためには、相見積もりをして比較検討をしましょう。
優良業者で相見積もりをするなら、外壁塗装パートナーズ がおすすめです。